ノートパソコンは基本的に持ち運びを想定してコンパクトに作られているので、単純な作業効率ではデスクトップPCには負けてしまいます。
しかし、いくつかPC周辺機器を使うことでノートパソコンをデスクトップ化できます。
ノートパソコンの手軽さとデスクトップPCの作業効率を両立したい人におすすめの方法です。
ノートパソコンをデスクトップ化したときのメリット
ノートパソコンをデスクトップ化すると主に3つのメリットがあります。
- 自宅では大きなモニターで作業領域を拡大できる
- 外出時はノートパソコンを持ち運べる
- ファイルや設定がPC1台分で済む
メリット①:自宅では大きなモニターで画面領域を拡大できる
自宅ではノートパソコンを外部モニターに繋げることで画面領域を拡大できます。
ブラウザやソフトを開けるスペースが単純に広がるだけで、作業効率はグンとアップします。
また、ノートパソコンのディスプレイと違って外部モニターは選択肢も多く、自分が使いたい仕様のモニターを選べます。
外部モニターでおすすめの解像度はWQHDです。フルHDより約1.8倍の大きさなので作業スペースがとても広くなります。
WQHD(2,560×1,440)はフルHD(1,920x1,080)に比べ約1.8倍の情報量となります。
WQHD(2,560×1,440)とは?もしかしたら4Kより実用的な解像度かも|ドスパラ通販【公式】
WQHDですと、フルHDよりも情報量が多いことで、複数の作業を同時に行う事がとても楽になります。
ノートパソコンのディスプレイはフルHDが多いので、比べて使用するとWQHDの快適さを感じますよ。
メリット②:外出時はノートパソコンを持ち運べる
外にパソコンを持ち運びたいときは、ノートパソコンを当然そのまま持ち歩くことができます。
持ち運ぶの手軽さを考えると14インチまでのノートパソコンを選ぶとよいでしょう。
15インチ以上はサイズだけでなく重い機種が多いので、持ち運びが苦になりやすいです。
ノートパソコンの重さ目安
重さ | 持ち運びのしやすさ |
---|---|
~1kg | ◎(苦にならない) |
~1.3kg | ◯(特に問題なし) |
~1.5kg | △(持ち運ぶカバン次第) |
1.5kg~ | ✕(持ち運びは辛い) |
持ち運びを考えた場合、ノートパソコンの重さは1.5kg以下がおすすめです。
ノートパソコンの持ち運びに適した重さは?|パナソニック公式通販サイト- Panasonic Store Plus
メリット③:ファイルや設定がPC1台分で済む
自宅や会社ではデスクトップPC、持ち運び用にノートパソコンを持っている人が多いです。
しかし、PCが2台あるとファイルの管理や設定が面倒ですよね。
最近はDropbox・Google Drive・OneDriveなどのクラウドサービスを使えばファイル管理はやりやすくなりましたが、ノートパソコン1台で済む手軽さには絶対に勝てません。
ノートパソコンをデスクトップ化する方法・必要な周辺機器
ノートパソコンをデスクトップ化するときに必要な方法や周辺機器は主に3つあります。
必要な周辺機器 | 目的 |
---|---|
外部モニター | 作業領域の拡大 |
キーボード | タイピングの効率アップ |
マウス | 操作性のアップ |
画面を拡張する外部モニターを接続する
ノートパソコンをデスクトップ化するときに外部モニターは必須です。外部モニターがないとデスクトップ化ができませんし、そもそも何の意味もありません。
現在販売されている外部モニターの解像度はフルHDが一番多く、最近はWQHDも増えてきました。
個人的にはWQHDの解像度が作業領域と手軽さのバランスが良く、おすすめです。
デスクトップ用のキーボードを接続する
ノートパソコンのキーボードをそのまま使う方法もありますが、せっかくデスクトップ化するならデスクトップ用のキーボードを使いましょう。
テンキーのありなし、ファンクションキーのありなしなど自分好みのキーボードを選べます。
ただし、ノートパソコンのキーボードをそのまま使うと、タイピングの感覚を統一できるというメリットもあります。
種類 | メリット |
---|---|
デスクトップ用のキーボード | ・高機能なキーボードを選べる ・自分好みのキーボードを選べる |
ノートパソコンのキーボード | ・タイピングの感覚を統一できる ・キーボードの費用が必要ない |
ワイヤレスマウスはBluetooth対応がおすすめ
マウスは優先よりワイヤレス(無線)マウスを選びましょう。
ワイヤレスマウスにはPCとUSBで接続するタイプと、Bluetoothで接続するタイプがあります。おすすめはBluetoothで接続するタイプのワイヤレスマウスです。
どちらも無線で接続する点は同じですが、USBで接続するワイヤレスマウスはノートパソコンのUSBポート、もしくはハブのUSBポートを1つ使用してしまいます。
ノートパソコンはUSBポートが少ない傾向があるので、USBポートを使用しないBluetoothで接続するワイヤレスマウスがおすすめです。
最近販売されているノートパソコンはほぼBluetooth対応ですが、念のためBluetoothに対応しているかは確認しておきましょう。
効率的にノートパソコンをデスクトップ化するならType-C環境を作る
ノートパソコンをデスクトップ化するにあたり必須ではないですが、できればノートパソコンと外部モニターをType-Cのハブで接続しましょう。
Type-Cのハブに外部モニターやワイヤレスマウスのUSBレシーバーを接続すると、ノートパソコンはType-Cのケーブル1本を繋ぐだけで済みます。
ノートパソコンはType-Cで給電・映像出力ができる機種を選ぶ
USB Type-Cの端子があれば、どんなノートパソコンでも良いわけではありません。
ノートパソコンのType-C 端子が給電(USB Power Delivery)・映像出力に対応しているかを必ず確認しましょう。
USB Power Deliveryとは、USBポートを経由して最大100Wまでの受給電が可能となる規格です。
ELECOM – USB Power Delivery規格に対応!USB Type-Cのメリットと注意点
データ転送や映像出力には対応しているが、給電はできない(USB Power Deliveryが非対応)ノートパソコンは多く存在します。
Type-Cが給電・映像出力の両方に対応していれば、ケーブル1本を抜き差しするだけで済むので、持ち運びとデスクトップ化の利便性が格段に上がります。
Type-Cの給電・映像出力に対応したハブを選ぶ
Type-Cは決して給電用の規格ではなく、基本的にデータ転送を行うUSB端子なので、Type-Cのハブが給電に対応していない場合も多く存在します。
ノートパソコンと同じく、使用するType-Cのハブが給電にも対応しているか必ず確認しましょう。
また、ハブから給電できるW数も必ず調べてください。
ノートパソコンを使用するために60W必要なのにハブから給電できるW数が30Wだと、ノートパソコンの充電が徐々に減っていく…という事態になります。
必ず下記を調べてください。
- ノートパソコンに充電に必要なW数
- ACアダプターからType-Cのハブに供給できるW数
- Type-Cのハブ自体が必要するW数
- Type-Cのハブからノートパソコンに共有できるW数
例えば、僕が使っているASUSのノートパソコン「ROG FLOW X13」は充電に40W以上必要です。
Type-CのハブはAnkerの「Anker PowerExpand+ 7-in-1 USB-C PD イーサネット ハブ」を使っています。このハブは最大48Wの給電が可能です。
しかし、ACアダプターからハブへの給電が48Wだとノートパソコンへの充電が不足してしまいます。
ノートパソコンへの充電が不足する理由はハブ自体の稼働に12W必要だからです。48Wー12W=36W(※足りない)
なので、60WのACアダプターからハブに給電しています。
ハブの稼働に必要な12Wを引いても、48W残るのでノートパソコンへの充電が問題なくできるわけです。
逆に100WのACアダプターを使った場合、ハブの稼働12Wを引くと88W残りますが、ハブからノートパソコンに給電できる最大W数が48Wなので充電スピードが早くなるわけではありません。
少しややこしい話ですが、単純な引き算をするだけです。
Type-Cで直接繋げられるモニターの優先度は低め
最近はノートパソコンと直接Type-Cケーブルで繋げられる外部モニターも多く販売されています。
ノートパソコンへの充電を前提としているので、十分なW数を供給できる外部モニターが多いです。
Type-Cのハブを挟まない分、さらにスッキリした構成になりますが、無理にこのタイプの外部モニターを選ぶ必要はありません。
まだ選択肢も少なく比較的高価な傾向がありますし、Type-CをハブはUSBポートの増加など別のメリットもあります。
デスクトップ化したときのノートパソコンの配置場所
ノートパソコンをデスクトップ化したとき、ノートパソコンをどこに配置するかで使い方・利便性が変わります。
- ディスプレイを畳んでスタンドで立てる
- 専用スタンドを使い、ディスプレイを開いて置く
- 外部モニターの全面にノートパソコンを置く
ディスプレイを畳んでスタンドで立てる
専用のスタンドを使ってノートパソコン畳んで立てる方法です。
スペースを取らないのがメリットですが、ノートパソコン機種によってはディスプレイを折り畳むと排熱がうまく行われないこともあります。
排熱がうまく行われないと故障の原因となるので、個人的にあまりおすすめの方法ではありません。
専用スタンドを使い、ディスプレイを開いて置く
ノートパソコンを開いたまま置ける専用スタンドです。折り畳むタイプのスタンドとは違い、排熱も問題ありません。
外部モニターの左右に置けば、ノートパソコンのディスプレイをサブモニターとしても使いやすくなります。
ただし、設置スペースを必要とする点がややデメリットです。
外部モニターの全面にノートパソコンを置く
僕は外部ディスプレイの正面にノートパソコンを置いてキーボードをそのまま使用しています。
外部モニターとノートパソコンのディスプレイの2画面が使えますし、タイピングの感覚も外出先と自宅で変わらない点がおすすめポイントです。
外部モニターに付属している通常のスタンドでは高さが足りない場合があります。
スタンドの高さが足りないと、外部モニターの下部とノートパソコンの上部が被ってしまいます。
なので、外部モニターはモニタースタンドを使って少し高めの設置をおすすめします。外部モニターの位置が高くなると視線も高くなり、姿勢も良くなります。
ノートパソコンをデスクトップ化したときのデメリット
ノートパソコンをデスクトップ化したときはメリットばかりではありません。デメリットもいくつか存在します。
- Type-C環境を作らないとケーブルの抜き差しが面倒
- パソコンのスペックアップはやりにくい
- ノートパソコンなので金額に比べ性能は比較的低くなる
デメリット①:Type-C環境を作らないとケーブルの抜き差しが面倒
ノートパソコンをデスクトップ化するときは、Type-C 1本での接続ができるようにノートパソコンや周辺機器を選んでください。
Type-C環境を構築しないと、持ち歩いたノートパソコンをデスクトップ化する場合、電源を繋いでHDMIケーブルを繋いで…と、抜き差しが多くなり非常に面倒です。
電源供給もできるType-C環境を構築することで、ノートパソコン1つをType-Cケーブルで繋ぎ、即デスクトップ化が可能です。
ノートパソコンの電源ケーブルは鞄に閉まったままで済みます。
デメリット②:パソコンのスペックアップはやりにくい
デスクトップ化というよりノートパソコン自体のデメリットです。
ノートパソコンはデスクトップPCに比べて、メモリの増設などが比較的できません。スペックアップをしたい場合は、ほぼノートパソコンの買い替えとなるでしょう。
デメリット③:ノートパソコンなので金額に比べ性能は比較的低くなる
「ノートパソコン+デスクトップの周辺機器」の費用が必要なため、どちらか片方に絞った場合に比べ、トータルの費用は高くなってしまいます。
同スペックのデスクトップPCとノートパソコンを比較した場合、どうしてもノートパソコンの方が金額が高くなる点も、トータル費用を上げる理由の1つです。
ノートパソコンのデスクトップ化をおすすめする人
ノートパソコンのデスクトップ化をおすすめする人は下記3タイプです。
- 出張や打ち合わせなど外出が多い人
- ゲームや動画編集など重い作業はやらない人
- 作業効率と持ち歩きを両立させたい人
出張や打ち合わせなど外出が多い人
出張や打ち合わせなどで頻繁にノートパソコンを持ち運ぶ人は、デスクトップ化の恩恵を最大に受けられます。
自宅やオフィスではデスクトップの利便性をフルに発揮しつつ、ノートパソコンを持ち歩くこともできるので、仕事の効率が格段に上がるでしょう。
ゲームや動画編集など重い作業はやらない人
ゲームや動画編集ができるスペックのノートパソコンは、金額も高く重量も重い傾向があります。
トータル費用も高くなりますし、ノートパソコンの持ち歩きが苦になるのでおすすめできません。
ゲームや動画編集など重めの使い方をする人は、通常のデスクトップPCを選んでください。
ブラウザ閲覧やOfficeソフトなどが中心ならノートパソコンのスペックで充分です。
AdobeソフトはPhotoshopくらいなら問題ありません。Premiere Proはノートパソコンだとやや厳しいので、デスクトップPCがおすすめです。
作業効率と持ち歩きを両立させたい人
パソコンを常に持ち歩きたい。けどノートパソコンだけで作業はやりにくい…という人にもおすすめです。
デスクトップPCやデュアルディスプレイに慣れてしまうと、ノートパソコンの小さいディスプレイ1つはとてもやりにくく感じますよね。
ノートパソコン・デスクトップPC、両方のメリットを感じられるのがデスクトップ化の利点です。
まとめ|ノートパソコンのデスクトップ化
僕はリモートワークで働いていますが週1~2程度で出社もするので、ノートパソコンのデスクトップ化を進めました。
おかげで効率や持ち運びを一切妥協せず、パソコンを使えています。必ず抑えてほしいポイントは2つです。
- Type-Cで充電できるノートパソコンを選ぶ
- 給電できるType-Cのハブを選ぶ
コメント(お気軽にどうぞ)