2018年秋に発売されたNikonのフルサイズミラーレス「Z 7」
発売から1週間くらい悩んでヨドバシカメラで購入。24-70+FTZ マウントアダプターキットなのでお値段50万超え…。手が震えましたね(笑)
購入してからしばらくたちましたが、買って後悔はまったくありません。
高画質を詰め込んだコンパクトボディ
D850と同じ4575万画素をこのサイズに!
レンズを付けた状態だと気づきにくいのですが、本体のみだとそのコンパクトさと軽量さを実感します。
フルサイズ一眼レフの中では比較的コンパクトなDfと比べてもこのとおり。一回り以上小さいです。
グリップも深く握りやすい
ミラーレスはコンパクトゆえにグリップが浅く、しっかり握れない機種が多いのですが、Z 7はグリップが深く撮影時の安定性もGood。
操作系統は右手に集中
操作系統の大部分が右手でできるようになっています。
左手で操作が必要なのは、撮影モード変更、写真の再生・削除、モニターモード切り替え。
個人的に一番便利だど思うiボタン。自分で好きな機能を登録できます。
僕はサイレント撮影・ホワイトバランス・ピクチャーコントロール・撮像範囲設定(FXモードやDXモード)・AFエリアモード・HDR・手ブレ補正ISO感度設定・測光モード・オートブラケティング・アクティブDライティング・Wi-Fi機能を登録。
ISOと露出補正のボタンが近くなのも使いやすくて気に入っています。
バッテリーは約300枚分
バッテリーの撮影可能枚数、スペック上はファインダーのみ使用で約330枚、モニターのみ使用で約400枚。
僕はファインダーもモニターも両方使い、都度撮影した写真を確認したりしていますが、それでバッテリー1個につき300枚くらいです。
一眼レフと比べると心許ないですね。予備バッテリーは必須かも。
XQDカードのシングルスロット
Z 7・Z6の発表後、悪い点として最も騒がれたXQDカードのシングルスロット。
SDカードのダブルスロットのカメラが増えた今では、使い勝手は決して良いとは言えません。しかも、64GBでも15,000円以上、120GBだと25,000円以上ととても高額…。
ただ、Z 7は高画素ゆえに撮った写真のファイルサイズがとても重い! JPGでも20MB前後、RAWだと60MB前後のファイルサイズ。
これだけ重いファイルを高速伝送するにはXQDカードしかなかったのかなぁと。シングルスロットはやや不安ですが、ダブルスロットにしてボディサイズが大きくなるくらいならシングルスロットで十分。
また、XQDカードは転送量ゆえに消費電力も高くなると言われています。なのでバッテリーの持ちはあまり良くないのかも。このあたりは高画素のミラーレスの当面の課題ですね。
XQDカードの容量は120GB以上を選びたい
Nikon Z 7の記録媒体はXQDカードのシングルスロット。から販売されていて、僕はNikon純正の120GBを買いました。
容量は64GBと120GBがあり、容量が大きいに越したことはないですが、なんせXQDカードは高い! 64GBで約16,000円、120GBで約26,000円。メモリーカードで26,000円て…。
「120GBもいらないかな?64GBでいいかな?1万円も違うし…」
と迷いましたが、結果的に120GBを買って正解でした。
画質モード・画像サイズなどを変えて実機で確認
“何枚撮れるか”は画質モードや画像サイズによって変わります。
Z 7は上部のサブディスプレイで撮影可能数が表示されるので、設定をいろいろ変えながら撮影可能数を確認してみました。
各モードの撮影可能枚数
RAWは12ビットより階調表現が豊かになる14ビットに設定。それぞれの撮影可能枚数は、
RAW+FINE★ | 809枚 |
RAW+FINE | 884枚 |
RAW+NORMAL★ | 961枚 |
RAW+NORMAL | 1,000枚(1.0k) |
RAW+BASIC★ | 1,000枚(1.0k) |
RAW+BASIC | 1,000枚(1.0k) |
RAW | 1,100枚(1.1k) |
FINE★ | 2,500枚(2.5k) |
FINE | 3,400枚(3.4k) |
NORMAL★ | 5,000枚(5.0k) |
NORMAL | 6,800枚(6.8k) |
BASIC★ | 10,000枚(10.0k) |
BASIC | 13,600枚(13.6k) |
TIFF(RGB) | 746枚 |
僕は普段「RAW+FINE★」で撮影しています。連写はほとんどせず、1日100~200枚くらいしか撮らないので809枚もあれば十分。
連写を多用する人だとちょっと厳しいかもしれませんね。64GBだと、さらに半分ほどになってしまいますし。
120GBを買って後悔はまったくない
そこまで枚数は撮らない僕ですが、メモリーカードの容量は多めにもっておきたい。容量の余裕は心の余裕。
いざシャッターチャンス!というときに「容量がありませんでした」じゃ、やりきれませんからね。
Z 7の4575万画素を活かすために、画質モードを落とすのは愚の骨頂。常に最高画質でシャッターを切りたい。
下手にケチって64GBにせず、120GBを買ってよかったです。
XQDカードは旅先での調達も難しい
SDカードなら容量がなくなってもコンビニでも買うこともできます。
しかし、XQDカードは普及率もまだまだ低く、旅先で入手するのは困難。ビックカメラやヨドバシカメラなどがないと買えません。
お金に余裕ができたら、120GBをもう1枚、もしくは予備で64GBで1枚持っておきたいですね。
Nikon Z 7の作例
JPEG撮って出しをさくっと。加工なし。
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S F4|1/640秒|ISO64|0EV|42mm
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S F4|1/200秒|ISO125|0EV|70mm
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S F1.8|1/160秒|ISO720|0EV|35mm
最後のユニコーンガンダムはフルサイズの高感度耐性とF1.8の単焦点レンズのおかげで、シャッタースピード 1/160秒・ISO 720をキープできました。
DXクロップモードでも1950万画素も残る
Nikonのフルサイズ一眼レフは撮影範囲を設定することができ、DXフォーマットも選ぶことができます。
- FXフォーマット = フルサイズ
- DXフォーマット = APS-C
FXフォーマットとDXフォーマットの撮影範囲
明るい部分がDXフォーマットの範囲。暗い部分まで合わせるとFXフォーマットの範囲です。
NikonのFXフォーマット(フルサイズ)のカメラにDXフォーマット(APS-C)のレンズを装着すると、自動でDXフォーマットの撮影範囲に設定が変更されます。
しかし、FXフォーマットのカメラにFXフォーマットのフォーマットのレンズを装着している場合でも、本体の設定でDXフォーマットの撮影範囲に変更することができます。
とは言っても単純に写真をDXフォーマットの範囲で切り抜いているだけ。これをDXクロップモードと呼びます(正式名称ではないかも)
Nikon Z 7の4575万画素が活きてくる
Nikon Z 7の有効画素数は4575万画素。DXクロップモードは単純に切り抜いているだけなので、有効画素数は下がります。
しかし、Z 7は元々の画素数が多いので、DXクロップモードで切り抜いてもなんと1950万画素も残るんです。
FXフォーマット | 4575万画素 |
DXフォーマット | 1950万画素 |
NikonのAPS-C(DXフォーマット)のフラッグシップモデル「D500」の有効画素数は2088万画素。
APS-Cのフラッグシップモデルとほぼ同等の画素数を、Z 7はDXクロップモードで維持できます。
これもD850と同等の4575万画素の為せる技! 高画素の恩恵はこういった場面でも活きてくるのですね。
レンズの焦点距離が1.5倍に
FXフォーマット(フルサイズ)のレンズをDXフォーマット(APS-C)で使った場合、レンズの焦点距離は1.5倍になります。
NIKKOR Z 24-70mm F4であれば、焦点距離は「36mm-105mm」に。ちょっとした中望遠レンズになります。
24-70mmの標準域って望遠側がたまにもう少し足りないときがあるんですよね。そんなときでも本体の設定を変更するだけ。痒いところに届くようになります。
旅行などレンズを複数持っていけないときや、子供を撮るなど広角側・望遠側にすぐにスイッチしたいときに非常に便利。
Z 7ならiボタンに登録を推奨
Z 7(他のNikon一眼レフもできるのかな?)では好きな機能を登録して、iボタンで呼び出すことができます。
いちいちMENUから変更しなくても、瞬時にFXフォーマットとDXフォーマットを切替可能。大事なシャッターチャンスを逃すこともありません。
ミラーレスならEVFもDXフォーマットに
ミラーレスならEVF(電子ビューファインダー)もDXフォーマットに切り替えてくれます。APS-Cのカメラと同じ感覚で撮れるんです。
一眼レフだとDXクロップモードに設定しても、ファインダーはFXフォーマットのまま。自分の感覚でDXフォーマットの撮影範囲に被写体を収めなくてはいけません。
これもフルサイズミラーレスの利点の一つですね。
まとめ
賛否両論あるZ 7ですが、僕は買って大満足。これから数年の愛機になりそうです。